甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学研究調査法 第6回 (1)

はい,おはようございます(_ _) あるいは こんにちは(_ _)

チームごとの質問項目は選定できたと思います。

本日は,チームごと質問紙を作りましょう。

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研究調査法 質問紙フェイスシート見本

こんな感じです。Microsoft Excelで作るのが好きな方もいますが,画面上に表示された通りに印刷されない……という大きな問題があります。今回は,Microsoft Wordの表で作成してもらいます。

授業の一環として行っているため,調査する研究者(調査の主体)は,指導教員の金敷が負います。

また,調査協力者(被調査者)については,甲子園大学の大学生のみとします。したがって,対面授業開始までに印刷し,対面授業開始後に,実際にみなさんに配布して回収してもらいます。データ数(有効回答数)100以上をめざします。

 

まず,1枚目は,調査依頼や年齢・性別を記入する欄から構成されていることが多いです。これを「フェイスシート」といいます。ご覧のように,調査の目的,調査を依頼するお願い等を書きます。そして,年齢・性別を訊きます。社会的性別(ジェンダー)については,「その他」等の選択肢も入れておきます。

次に,紙面の都合上,同じページにチームで考えた質問を5問入れます。ここまで1枚に入ります。

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研究調査法 質問紙の見本(チームごとのテーマ尺度)

2枚目以降は,ご覧のように,チームごとに割り当てられたテーマの尺度を作成します。理屈がわかれば簡単なのですが,本年度のテーマの尺度は,問題数が多いものもあるため,3ページまで使う必要があるチームもあります。3ページまで使うチームを例にあげて,質問紙の作り方を解説していきましょう。

 

1.最初に書式の設定

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研究調査法 新規作成

Wordファイルを新規作成すると,書式は……デフォルトとして設定した書式になっていますね。これを,まず設定しなおす必要があります。

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研究調査法 適当な文字列と改行を入れておく

フォントの設定をまず行うので,新規ファイルの中に,適当な文字列と改行マークを入れておいてください。

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研究調査法 すべて選択

「ホーム」タブ→いちばん右の「選択」▼マークをクリックすると「すべて選択」が出てくるので,それを選びます。選択されたマークが出てきます。

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研究調査法 最初にフォントの選択

同じく「ホーム」タブから「フォント」の右下にあるマークをクリックすると,フォントのダイアログボックスが立ち上がる。日本語用は「游ゴシック」英数字用は「Arial」サイズ「12」ポイントを選ぼう。(調査をする際に,明朝体を使うと読みにくいので,ゴシック体を使います。)

選んだら,ダイアログボックスの「既定に設定」をクリック。

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研究調査法 既定フォントの設定

「この文書だけ」を選択肢,OKを押す。(論文やレポート,すべての文書の書式を統一したい場合には,下の「Normal.dotmテンプレートを使用したすべての文書」を選ぶとよいです。以降,自分のPCでワードを立ち上げ新規作成した際に,すべて同じ書式になります。) ※わたしのPCはわたしの既定があるので,「この文書だけ」を選んでいる。

これで,このファイルについては,日本語入力すると游ゴシック12ポイントで表示され,英数字入力するとArial12ポイントで表示されることになります。

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研究調査法 ページ設定の余白から設定する

フォントを設定した後に,ページ設定します。ページ設定の後にフォント設定をすると,設定した文字数行数が変わってしまうからです。「レイアウト」タブ→「ページ設定」の右下の印をクリックする。「ページ設定」のダイアログボックスが立ち上がります。

ここでまず「余白」タブで余白の設定をします。やはり,文字数と行数を設定した後に余白を設定すると,設定した文字数行数が変わってしまうからです……。

今回は,レポートなどの書式よりも余白を狭くします。上下左右20mmにしましょう。「設定対象が「文書全体」になっていることを忘れずに確認してください。

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研究調査法 ヘッダー・フッターの設定

次は,「その他」タブから,ヘッダー・フッターの設定をします。ページ番号を入れたり,ページ共通の見出しを入れたり,意外に使える場所なので,設定しておきましょう。

ここではヘッダー・フッターどちらも10mmに設定しておきます。

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研究調査法 ページ設定の最後に文字数・行数設定

最後に文字数・行数の設定をします。「文字数と行数」タブから,「文字数と行数を設定する」を選択,文字数40,行数30を選びましょう。一般的に,1行内の文字数の字間はより狭い方が,複数行の行間はより広い方が読みやすい。後で設定を変えることは可能なので,行数には余裕を持たせておくとよいです。

ここでは,「既定に設定」をクリックせず,「OK」をクリック。※以降の文書も同じ書式にしたいならば「既定に設定」を押す。

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研究調査法 書式設定おわり

書式設定ができました。ちょっと余白の感じが変わっているのわかりますか?

 

とりあえず ひとくぎり

 

<教科書>

小塩真司・西口利文(編)  (2007).  質問紙調査の手順(心理学基礎演習Vol.2) ナカニシヤ出版

 

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心理学基礎実験実習1 第5-6回 (1)

はい おはようございます(_ _)

本日は,一対比較法,という測定手法で,実際にデータをとります。

教科書の課題5です。

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実験実習1 板書05-01

ご覧のように,2つの対象(選択肢)を提示して,どちらか一方を実験参加者に選んでもらう方法が,それです。選好という言葉も使います。

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実験実習1 板書05-02

長所は,まとめて言うと,言語的に表現するのが困難な場合に,1対ごとの比較にするのが比較的容易であるところです。「どんな……」「何……」などのオープンクエスチョンでは,実験参加者は,自分自身(の頭の中)で選択肢を作り出さなければならないため,案外たいしたことが言えなかったりします。具体例の選択肢が1対ごとに用意されていると,どちらかを選べばよいため,選択肢を作り出すという困難がなくなるわけです。

限界は,長所と同様で,強制選択させることの妥当性ですね。それから,手続き的に,比較対象の数が多いと,一対比較の数が増えるために,面倒になっていきます。

今回は,当方で,6つの選択肢を選定しました。15通りの対の組み合わせを回答していってもらいます。

これは実際にデータを取ることで学んでもらいましょう。また,必要なデータはTeamsにアップいたしました。 

 

ということで 今回の授業の解説はここまで。

ありがとうございました。

 

<教科書> 

木下冨雄・上里一郎・中谷和夫・難波精一郎・辻敬一郎  (1975 / 2018).  教材心理学[第4版] ナカニシヤ出版

<文献>

心理学実験指導研究会(編)  (1985).  実験とテスト─心理学の基礎─[実習編] 培風館, pp. 73-76.

  

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心理学統計法1 第6回 (2)

さて,教科書61ページ。

平均値の話に戻しましょう。

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統計法1 板書06-03

板書は,データに定数を加減した場合に,平均値がどうなるかという話。

平均値の計算が楽になり,計算の手間が省ける場合もあるため,工夫できるときには実際にやってみましょう。

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統計法1 板書06-04

階級や区分で分類されたデータの,それぞれの平均値と,全体の平均値との関係を,板書は示しました。各階級の平均値に,各階級の相対度数を掛け算して,すべての階級を足し算したものが,全体の平均値となります。

教科書の例題5-2に詳細が書いてあります。実際にやってみましょう。

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統計法1 板書06-05

平均値・中央値・最頻値は,総称を「代表値」といいます。あるデータの分布を代表する値,という意味です。教科書では,代表値を 中心の位置の統計値と書いています。

代表値は,他の統計データの代表値と比較することが容易です。昨年の物価指数の平均値と,本年の物価指数の平均値を比べて,物価が高くなったのか低くなったのかがわかります。

しかし,代表値だけでは,データの1つ1つが,どこまでの値の範囲を持っているのか,それがどのような広がりを見せているのかがわかりません。

この点で,代表値だけではなくて,度数分布表と組み合わせて,データを考える必要があります。度数分布表は,データの1つ1つの分布状況がわかり,量的データの場合には,データがどこまで広がっているのかがわかるからです。

例えば,年収のデータというのは,平均値がかなり歪みます。年収という比率尺度は,無限大に大きくなりえますから,年収0から,年収1億,10億なんて値まで出てきてしまいます。このような場合には,平均値を計算すると,例えば10億というとびぬけた値が,年収0という値を隠してしまうぐらいの平均値になりますね。

そこで,分布の状況を知るために,代表値とともに,度数分布表もあわせて検討する必要があるわけです。

 

本日の授業はここまで。

ありがとうございました。 

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法1 第6回 (1)

はい こんにちは(_ _)

本日は教科書57ページ。中央値の話から。

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統計法1 板書06-01

中央値 メディアンは,板書の通りで,要するに「人数を半分に分ける値」ということ。

例も示しましたが,中央値は,データを大きい順,あるいは小さい順に並べなおして,数えていくことで求められます。データ数が奇数のときと,データ数が偶数のときとでは,求め方が違います。

前回の課題2.の中央値Mdは,(1)4 (2)6 (3)10.5 (4)9 ですね。

※データ数の真ん中付近に同点がある場合には,特殊な計算方法もあるのですが……教科書では,そのような計算方法を求めていませんので,教科書の通りにしておきます。

ちなみに,Excelの関数で中央値は「=MEDIAN()」です。()かっこ内には指定されたデータの範囲が入ります。

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統計法1 板書06-02

中央値の特徴は,問題5-1を解いていただきたいですが,中央値からの絶対偏差の和が最小になる,というものです。

絶対値はわかりますか?こたえが正の数ならばそのまま,負の数ならば正の数に直す,というものでしたね。

だから,絶対偏差の和は,必ず正の数になります。

 

ひとまず ひとくぎり 

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法3 第5回 (3)

では,統計的仮説検定をまとめましょう。 

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統計法3 統計的検定の記述

仮説と仮定については,ご覧の通りになります。

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統計法3 決定のルール

決定のルールです。実際のF値は1%水準で有意ということですが,ここでは臨界値を5%に設定しておきます。

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統計法3 分散分析表

分散分析表です。計算した数値をコピペして,小数点以下第2位まで表示します。

決定については,課題ですので,ご自分で判断しましょう。

 

数式は難しいかもしれませんが,計算そのものはラクでしたね。

本日の授業はここまで。

ありがとうございました(_ _)

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法3 第5回 (2)

では,実際にデータを分析しましょう。データのファイルはTeamsにアップします。

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統計法3 混合計画のデータ

今回は,すでにAB集計表も作っております。個人差プールのkを,あらかじめ算出しておきます。

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統計法3 計算式と平方和の見出し

計算式と平方和の見出しも作っています。

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統計法3 自由度の見出し

自由度の見出しも作りました。

 

さて,計算。途中までは被験者間要因の分析と同じですよ。

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統計法3 AB集計表に基づいて計算

ここまでは同じやり方で計算できると思います。

※データの見出しを下付き文字に変えました。

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統計法3 個人差プールの計算

(6)の個人差プールは,このように計算します。

 

平方和の計算は板書の通りですね。

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統計法3 平方和の計算

いちおう,検算もしています。

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統計法3 自由度の計算

自由度も板書の通りに計算しましょう。aが要因Aの水準数,bが要因Bの水準数,nが各セルの被験者数なのは,前回と同じです。

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統計法3 平均平方の計算

平均平方も割り算するだけですね。この前ボクが間違ったように,割り算の宛先を間違えないように。

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統計法3 F値の計算

F値の計算も割り算ですから,ご覧の通りになります。ここまでくれば,前回の手順と同じということですね。

要因Bの主効果が1%水準で有意,交互作用が1%水準で有意であります。

分子自由度,分母自由度と,臨界値は記しておきました。

前回,被験者間要因の2要因分散分析では,計算方法をかなり詳しく画像で紹介しているはずだから,今回はさらっと流しました。計算式まで出せれば,あとはラクですね。

 

とりあえず ひとくぎり 

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法3 第5回 (1)

はい こんにちは(_ _)

2要因分散分析,今回は混合計画について。

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統計法3 板書05-01

混合計画,というのは,2要因分散分析の場合,一方の1要因が被験者間要因,他方の1要因が被験者内要因であるものをいいます。

計算手順は前回と同様なのですが……

「心理学統計法2」の1要因分散分析で被験者内要因を学んだ際と同様で……誤差項の計算に ひと手間かかります。新たに計算する式もあります。

さらに,被験者間要因に対する誤差項と,被験者内要因・交互作用に対する誤差項とが,異なる式によって導かれた異なる値となる点にも注意が必要です。

被験者内要因の,同一人物が何個かデータを出しているところの,合計を出して個人差プールを作っておくのですね。

では例とともに式を紹介します。2×2の混合計画を考えましょう。

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統計法3 板書05-02

こんな感じで,被験者間要因の水準においてn人ずつのデータを取るとしましょう。被験者内要因はb1b2で同一人物がデータを2回出しております。その際に,被験者ごとのデータの合計kを算出しておいてください。これが個人差プールですね。

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統計法3 板書05-03

2要因の被験者間の分散分析のときと同様に,AB集計表は作っておきます。

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統計法3 板書05-04

計算すべき式は,(1)~(5)までは前回と同様になります。(6)が被験者内条件がある場合に増える計算式です。

kの2乗和を要因Bの水準数で割る,というものになります。

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統計法3 板書05-05

平方和の計算は,板書の通りです。先ほどの計算式をご覧のように計算します。SSbetweenは被験者間要因の分散を,SSwithinは被験者内要因の分散を示します。さらに,これらの分散を,より細かく分けることによって,分散分析を行っていきます。

SSw1は,被験者間要因Aに対する誤差項の平方和です。SSBxw2は,被験者内要因B・交互作用ABに対する誤差項の平方和です。

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統計法3 板書05-06

自由度dfはご覧の通りです。平方和と同様に,全体の自由度は,被験者間要因の自由度,被験者内要因の自由度に分けることができ,さらに細かく分けて計算していきます。

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統計法3 板書05-07

平均平方については,5つを算出します。各平方和を各自由度で割るのは同じ手順です。

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統計法3 板書05-08

F値は3つ計算されることになります。要因Aの主効果,要因Bの主効果,AB交互作用,これは前回の2要因分散分析と同じです。(般若の顔で悲しみを表現しようとしたのだが,なんだか悪魔の笑顔になってしまった。)

 

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統計法3 板書05-09

混合計画において,分散を,どのように分解しているかの式です。被験者間成分と被験者内成分に分けることができ,それぞれの内部に誤差項があるということになります。

理屈だけだと極端に難しそうに見えてしまうが,結局Excelで計算するのだから,作業内容さえ覚えれば,それほどでもないです。


とりあえず ひとくぎり 

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学研究調査法 第5回 (1)

はい,おはようございます(_ _) あるいは こんにちは(_ _)

本日は,チームごとに考えた質問項目を選定します。

このブログは,その後の話です。

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研究調査法 板書05-01

 

ご覧のように,仮説を考える,というものです。

本来ですと……仮説には2つのレベルがあります。大きなレベルの仮説(研究仮説・モデル・理論などと言う),と,小さなレベルの仮説,すなわち板書している作業仮説というものです。

1.大きなレベルの仮説(研究仮説・モデル・理論)

より一般化された仮説ということになります。例えば,相関関係で仮説を組み立てると「攻撃性が高ければ高いほど甘いものをよく食べる」……この仮説は完全に想像にすぎませんが……「攻撃性が高いということは,攻撃行動に出て他者を傷つける可能性が高い。自分自身の攻撃行動を防ぐために,攻撃行動が出そうなイライラしたときに甘いものを摂取して抑えていくのではないか?」……なんて理屈が出てくるわけですね。

2.小さなレベルの仮説(作業仮説)

こちらの仮説は,具体的な研究に即した仮説となります。大きなレベルの仮説を受けて,攻撃性の高さを「日本版Buss-Perry攻撃性質問紙」で測定し,甘いものをよく食べるかどうかを,チームの質問「甘いものを食べる」4:ひんぱんに食べる─1:まったく食べない,で測定する,と仮定しましょう。その際の作業仮説は,<「攻撃性質問紙」の下位尺度○○の得点と,「甘いものを食べる」の評定値とが,正の相関関係を示す>,になります。

本来は,大きなレベルの仮説から,作業仮説を導き出して,調査・研究をすすめていくのですが,これは授業で,チームごとに強制的に「○○尺度」の課題を割り当てているため,研究仮説・モデル・理論は考えにくいと思います。チームで考えた質問項目についても,とりあえず思いつきで列挙したものなので,大きなレベルの仮説を,みなさんは想定していないことでしょう。

したがって,ここでの「仮説を考える」というのは,小さなレベルの作業仮説だけを考えておいてください,ということになります。

この仮説,つまり調査結果の事前予想,を立てることができるためには,各チームのテーマである「○○尺度」の下位尺度の得点が何を意味するのか?を理解できている必要があります。

得点が高いと***で,得点が低いと@@@で……というように,文献を読んで,得点がどのように解釈できるのかを考えておいてください。

本日の考える部分は,課題にはしません。

しかしながら,みなさんのチームの最終プレゼンテーション,および個人レポートにとっては重要なところになります。冒頭の「目的」のところを書くために必要なところだからです。

また,冒頭の目的の部分に,作業仮説を書くことができたならば,考察する際に,結果が仮説通りだった(なぜか?),仮説通りではなかった(なぜ?),という文言を加えて,レポートの内容を分厚くすることができます。見かけ上の文字量も増えます。

ということで,正の相関なのか,負の相関なのかだけでもよいですから,作業仮説を立てて,調査結果の予想をしておきましょう。もちろんノートにメモしておくのが重要ですよ。

 

本日はこんなところです。

ありがとうございました(_ _) 

 

<教科書>

小塩真司・西口利文(編)  (2007).  質問紙調査の手順(心理学基礎演習Vol.2) ナカニシヤ出版

 

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心理学研究調査法 第3回 (1)へもどる

心理学研究調査法 第4回 (1)へもどる

心理学統計法1 第5回 (4)

少々余談です。

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統計法1 計算機

平均値の計算(加算記号の計算)で,やっと計算機の出番がやってきました。

平方根(√ボタン)の計算機能がついているもの,メモリ機能がついているもの(M+ M- MR MCボタン)を選びましょう,というのは,このような計算機のことをいいます。関数電卓というガチの本格的なものでなくてよいです。これ,心理学部の備品なのですが,足し算のボタンが大きいので,結構気に入って使っております。

平方根は,あと何回か授業を経ると使います。

メモリ機能は後期の授業で特に役に立ちます。

 

ただ……現代では,スマホアプリという,文明の利器もありまして,こちらも捨てがたい。

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統計法1 スマホの計算機アプリ(Android

こんな感じのシンプルな表示ですが

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統計法1 ルート機能もついている

ルート機能もついております。メモリ機能は……

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統計法1 計算履歴を見ればよい

メニューから計算履歴を呼び出すとよいです。

3月11日は何を計算したんだろ?……大学の授業時間を計算したんだったっけ。大学の1科目の授業時間90分と,当該1科目の自宅学習時間90分とで,180分が,授業1回分の学習時間なんだね。それを15回やるから,トータルで1科目2700分の学習時間となる。

それを時間に直すと45時間!……多いのかなぁ?大学の1科目2単位って,2日間48時間にもならないのかぁ……とも解釈できる。

 

そういえば,iPhoneの計算機アプリを使う際には注意。ボタンを早押しすぎると,キー押し判定が有効にならなくて,数字の打ち間違いが生じることが多いようです。(最新バージョンでは直ったともきくけれど,どうなんでしょうか?)

 

Microsoft Excelの場合には 心理学基礎実験実習1で少し触れましたが……

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統計法 ExcelのオートSUM機能

ごらんのように「ホーム」タブに「ΣオートSUM」という機能がついています。

答えを出すところを選択して,このキーを押すと,自動で合計が計算されます。

ここにも書いてある「Σ」 シグマの記号は,総和 Summation の頭文字Sを,ギリシャ文字で当てたものです。

この授業 心理学統計法1では,Excelを使った計算をせずに,計算機で1つ1つ計算してもらいます。「面倒くさい」と思ったら,数学のセンスがある……。1つ1つ計算するのが面倒だから,一般的な数式を使って考えるという,ものぐさをやるわけ。

 

ということで,余談も終わり。

本日の授業はここまで。

ありがとうございました(_ _)

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法1 第5回 (3)

さて,平均値には重要な特徴があります。

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統計法1 板書05-08

平均値からの偏差の和は0になる,という特徴です。

偏差 へんさ というのは……偏差値で有名ですが……各データとある(定数)値との差のことをいいます。たいていの場合,平均値からの偏差のことを略して言っています。

個々のデータの中には,平均値よりも大きい値(平均値からの偏差が正の数)のものもあれば,平均値よりも小さい値(平均値からの偏差が負の数)のものもあります。平均値から離れている値もあれば,平均値に近い値もあります。

これらをデータ全体で足し算すると,0になるのです。平均値は,ちょうど重心となる値と板書しましたが,ちょうどバランスが取れる値である,ということを示す話です。

いちおう,数式で展開させてみました。平均値は定数扱いとなります。

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統計法1 板書05-09

教科書58ページでは,板書のように考えています。

平均値の仮の値をaとおいて……aからの偏差の和が0になる場合を想定すると……

加算記号の式を作り,それを展開すると,ごらんのように,aは平均値とこたえが出ます。

 

ひとまず ひとくぎりしましょう 

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法1 第5回 (2)

つづきです。

平均値については,数学記号を使います。教科書55ページ。

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統計法1 板書05-03

平均値エックス・バーを,数学記号で書くと,板書の通りとなります。

加算記号として,ギリシャ文字Σ(シグマ)を使います。

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統計法1 板書05-04

大きく書くと,板書の通りです。

記号シグマの上と下には,はじまりのデータ番号と終わりのデータ番号が入ります。要するに,「こっからここまで足し算せよ」ということです。

終わりのデータ番号は,たいていの場合データの総数ですからnになります。(例えば,5番目のデータまでの足し算だったら,記号シグマの上は5と書かれます。)

記号シグマの後には変数記号と,変数のデータ番号を示す添え字を入れています。

心理学の統計では,たいていの場合,データ番号1からnまでの足し算(総和)となりますから,はじまりのデータ番号,終わりのデータ番号を略して書くことも多いです。

ここまでは大丈夫だと思うけど……

 

次,加算記号の規則について

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統計法1 板書05-05

定数cにかかわる約束ごと

(1)変数の定数倍の和は,変数の和の定数倍に等しい

定数cをシグマの外に出せるということですね。例えば,7×2+7×5+7×8というのは,7×(2+5+8)となる。……というのを記号で示しただけ。

(2)定数の和は,定数のn倍に等しい。

同じように例をあげると,8+8+8+8+8=8×5ということ。

 

このあたりも大丈夫だろうと思うよ。

 

次は分配法則

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統計法1 板書05-06

(3)変数から定数を減算したものの総和は,変数全体の和から定数のn倍を引いた値と同じである。

(4)2つの変数の足し算したものの総和は,一方の変数の和と他方の変数の和を足したものに等しい。

シグマの記号の後ろにかっこが入っていたら,それはシグマ記号の影響が及んでいるということ。かっこ内が単なる足し算引き算の場合には,数学でいう分配法則が成立する。

分配法則あたりから難しくなっていくのかな?

 

ただし……下記のようにかっこに乗数がついている場合には

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統計法1 板書05-07

先に乗数の計算を行って,分配法則を適用させる必要があります。

これについては,今日の課題で練習問題を作ってあるから,実際に計算してみてください。

 

数学記号は,ものごとを一般化するために使い,見かけにとらわれないで一発でまとめる,という威力があります。親しみがまったく感じられないからよいのです。

シグマの記号を覚えると,他の統計の教科書なども見てわかるようになるから,加算記号シグマに慣れるのは,とても重要です。

 

ひとまず ひとくぎり 

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法1 第5回 (1)

はい こんにちは(_ _)

本日は教科書54ページから。

計算機を使い始めます~

いきなり難しくなった感じを受けるかも……でも,まだ たいしたことはないです。

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統計法1 板書05-01

度数分布表やヒストグラムなど,データの1つ1つが,どの階級に位置づけられるか,その広がりのことを分布といいます。

分布の中で,中心の位置となるもの,分布の代表となる値─代表値─ともいいます,これについて今回は学びます。

 

1.平均値 (算術平均とも アベレージとも ミーンともいいます)

統計データの総和を,統計データの総数nで割った値です。

記号は,板書の通り,エックス・バー。

平均値は,分布の重心となる値(ヒストグラム等で,ちょうど重さが釣り合う位置)となります。

間隔尺度・比例尺度の代表値として有効です。

この計算式に関しては,後でもどってきます。

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統計法1 板書05-02

2.最頻値 (モードともいいます)

度数を数えた際に,もっとも度数の多い値を最頻値といいます。

記号はMoです。

名義尺度から比例尺度まで,どの尺度でも有効な代表値です。

いわゆる多数決で最多得票を得たもの,ということになりますね。

 

3.中央値 (メディアンともいいます)

板書の通り,「1つの得点の分布を度数の等しい2つの上下の分布に分ける,ちょうど中央に位置する値」のことです。人数をちょうど半分に分ける値,のことですね。

順序尺度から比例尺度まで有効な代表値です。

中央値の求め方は,次回の授業で紹介します。

 

とりあえず ひとくぎり 

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法3 第4回 (5)

さて,それでは本日の課題のところ。

単純主効果の分散分析表を作ります。

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統計法3 検定表の作成

※【訂正】(2020.05.20) 変動因の項目名順が逆でした。画像を差し替え。

まずは,検定表を作ります。

この後,先ほど出した答えを,それぞれコピペする。

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統計法3 小数点以下第2位まで出したい

※【訂正】(2020.05.20) 同じく画像を差し替え。

コピペは「値のみ貼り付け」。

小数点以下第2位までの値を表示させたい場合,セルを選択して右クリック,「セルの書式設定」で「数値」を選び,小数点以下の桁数2を選ぼう。

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統計法3 数値のコピペ

※【訂正】(2020.05.20) 同じく画像を差し替え。

コピペ完了。でもこれで終わりではなく……

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統計法3 有意なところにアスタリスク

※【訂正】(2020.05.20) 同じく画像を差し替え。

有意なところにアスタリスクをつける。

これで課題はおしまい。

 

……でもね,分散分析の結果から,結局,何が言えるんだろう?レポートや論文を書くときは,この後の作業が大切なんだ。

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統計法3 グラフを描いて交互作用を考える

グラフを描いてみた。グラフを描いて,どの条件間に差があるのかを,具体的に指示して考えてみよう。このグラフ上で,単純主効果が有意だったところを示してみると……

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統計法3 有意だった条件の差

1.中程度の難易度において,低不安群の得点が高不安群の得点を有意に上回っていた。(グラフ中央 紫の矢印)

2.易しい難易度において,低不安群の得点が高不安群の得点を有意に上回っていた。

3.低不安群においては,課題難易度の効果が有意であった。

ということになる。

 

だから,この研究結果は,

A.不安の低い者においては課題難易度が成績に直結するが,不安の高い者においては難易度の効果がみられない(そもそもテストを受けること自体に不安があるため……?)

B.不安の差が現れるのは,課題難易度が中程度よりも易しい場合であり,特に易しい課題においては,不安の差が顕著である。

という感じに結果を記述できる。考察は,「それがなぜ そうなったか?」の説明だよね。

 

ということで,計算だけできても……ね。最終的に,独立変数(要因)の各水準の違いまで考えて,統計的な有意差というものを操作した要因のレベルで記述・説明する必要があるからね。これは忘れないように。

 

……さらに,低不安群における課題難易度について,3水準間の有意差を検討したいときには,多重比較を行う必要がある。被験者間条件なので,誤差項をMSwとして,スチューデント化された範囲の表を見て,テューキーのHSDを求める。

多重比較については,心理学統計法2で学んだことなので,ここでは省略します。

 

それでは。本日の授業はおしまい。

ありがとうございました(_ _)

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法3 第4回 (4)

つづいて,平均平方MSを計算しよう。

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統計法3 平均平方の見出し

まずは,平均平方の見出しを作る。

いちいち文字を下付きにするのが面倒なので,平方和の見出しをコピペして,1文字目をMに書き換えればよい。

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統計法3 1で割っても仕方ないので……

Aの単純主効果に関する平均平方。自由度は1,割っても仕方ないので,そのままイコールで参照しましょう。ここはコピペでよいよね。

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統計法3 こちらは自由度2で割る

Bの単純主効果に関する平均平方。こちらは自由度2で割ります。これもコピペでOK。

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統計法3 F値の見出しを作る

さて続いて,F値の計算となる。ここで,誤差項のMSwの見出しと数値とを,メインの分析からコピペしておこう。見出しは「すべて貼り付け」,値は「値のみ貼りつけ」だ。

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統計法3 コピペするために絶対参照

2要因のどちらも被験者間要因の場合,誤差項は1つだけになるため,すべてのF値における分母は共通のMSwとなる。ここでは,後でコピペしたいので,分母の数値を固定するために,分母の参照セルのみ絶対参照「$」を入れることにする。

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統計法3 F値計算後に臨界値と見比べる

こたえはコピペで上記の通り。

お隣には,Fの表で調べた,1%水準の臨界値を掲載した。

この基準にしたがえば,b2における要因Aの効果,b3における要因Aの効果,そして,a1における要因Aの効果が有意であることになる。

 

参照する値がわかれば,計算はラクなはずだよ。

実際にデータを計算してみれば,数式が単なるコケオドシってことがわかるでしょう?

ということで,次で分散分析表をまとめていこう。

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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心理学統計法3 第4回 (3)

それでは,先ほどの数式に基づいて,先週までの分散分析の続きで,単純主効果をExcelで計算してみよう。

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統計法3 続きで計算しよう

ごらんのように,先週の計算結果のつづきのところに,まずは平均値の表を貼りつけた。(正確には,「形式を選択して貼り付け」で値のみを貼りつけた)

そして,単純主効果の検定の平方和の見出しを作った。

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統計法3 平方和の計算式

b1におけるAのところの,平方和の計算式になる。平均値の表の「計」が多少紛らわしいかもしれないが,間違わないでね。

かっこを使って,先に計算するところ,後に計算するところをコントロールしています。だから,かっこの組み合わせの数「(」と「)」の数を間違うと,思いっきりエラーが出るので注意。

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統計法3 平方和の計算式 要因Aの単純主効果

ご覧のように,この数式はコピペできないので,1個ずつキーボードで入力する。並べ方をうまくやればコピペで済むのだが,たまには手入力もしてみると,参照セルがわかってよいだろう。

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統計法3 平方和の計算式 要因Bの単純主効果

要因Bの単純主効果については,ご覧のような計算式となる。この計算に関しては,参照元も計算先も並び方がタテなので,1つの式を入力すれば,コピペできるよ。

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統計法3 自由度も記載しよう

コピペでご覧の通り。お隣には自由度を記入しておこう。

 

とりあえず ひとくぎり

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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