甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法1 第5回 (3)

さて,平均値には重要な特徴があります。

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統計法1 板書05-08

平均値からの偏差の和は0になる,という特徴です。

偏差 へんさ というのは……偏差値で有名ですが……各データとある(定数)値との差のことをいいます。たいていの場合,平均値からの偏差のことを略して言っています。

個々のデータの中には,平均値よりも大きい値(平均値からの偏差が正の数)のものもあれば,平均値よりも小さい値(平均値からの偏差が負の数)のものもあります。平均値から離れている値もあれば,平均値に近い値もあります。

これらをデータ全体で足し算すると,0になるのです。平均値は,ちょうど重心となる値と板書しましたが,ちょうどバランスが取れる値である,ということを示す話です。

いちおう,数式で展開させてみました。平均値は定数扱いとなります。

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統計法1 板書05-09

教科書58ページでは,板書のように考えています。

平均値の仮の値をaとおいて……aからの偏差の和が0になる場合を想定すると……

加算記号の式を作り,それを展開すると,ごらんのように,aは平均値とこたえが出ます。

 

ひとまず ひとくぎりしましょう 

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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