甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法1 第7回 (1)

はい こんにちは(_ _)

教科書66ページから

時系列データの変化の話。

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統計法1 板書07-01

時系列データは,同一の対象を(時期を変えて)繰り返し測定したものをいいます。

対象の測定値の変化がわかります。例えば,毎日の朝の体温変化,技能の成功率の変化,感染者数の変化……などなど。

心理学の場合,同一人物の,ある測定値を繰り返し測定したものが多いです。この場合,同一人物の時系列の「発達」「成長」というのが変化として出てきます。これを縦断的データといいます。

また,実験などでは,短時間に,同一人物のパフォーマンスを繰り返し測定することが多いです。この場合は,被験者内要因,などと表現します。○回目の試行の成績などがそうです。

社会調査の場合,例えば感染者数の変化は,日ごとの変化や年次変化の定点観測をしたものもあります。必ずしも同一人物が含まれているわけではありません。定点観測も時系列データの中に含まれてきます。

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統計法1 板書07-02

教科書67ページ。実の数値の変化は,変化幅あるいは変化率の値で示します。その変化を「増加」または「減少」という言葉で表現します。教科書の例文を見てください。

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統計法1 板書07-03

比率(パーセント)の変化は,変化幅を「ポイント」という単位で示し,それを「上昇」または「下降」という言葉で表現します。例えば,内閣支持率は,いついつから何ポイント下がった,とニュースでよく表現されていますので,見てみましょう。

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統計法1 板書07-04

変化幅自体の推移,とは,前の変化幅と後の変化幅を比較した言い方です。減少傾向が続いていたり,増加傾向が続いていたりする際に,前の変化幅と後の変化幅とを比較して,幅が「拡大」あるいは「縮小」という言葉で表現します。

もともと比率(パーセント)で表現している場合に,変化を表現したいときには,変化幅(ポイント)を使うのが適切であるといえます。

ここまでは,計算うんぬんよりも,言葉遣いの日本語表現の問題であるといえます。教科書70ページの問題を解いて,身につけましょう。

 

とりあえず ひとくぎり

  

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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