甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法1 第8回 (2)

つづきです。実際に教科書の例題を使って,計算手順について案内します。

 

1.データの合計と平均値を計算

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統計法1 板書08-05

84ページの例題です。

8個のデータがこんな値でした。まず,合計と平均値を算出します。

 

2.個々のデータから平均値を引き算し,偏差の和が0になることを確認する

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統計法1 板書08-06

ここでは,平均値の6.85を,個々のデータから引き算して答えを出します。

その後,「偏差の和が0になる」ことを,合計欄で確認してください。

 

3.個々の偏差を2乗し,その和を計算する

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統計法1 板書08-07

偏差が計算できたら,これらの偏差をそれぞれ2乗します。この段階では四捨五入せずにそのまま計算した答えを書きます。

次に,合計欄に偏差の2乗の和を書きます。

 

4.計算する

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統計法1 板書08-08

さて,偏差の2乗和が出たら,分散と標準偏差を計算しましょう。

心理学の論文・レポートにおいては,平均値・分散・標準偏差は,小数点以下第2位まで記述するのが慣習ですので,ここでも第2位まで算出しておきます。

注意するのは,標準偏差を計算するときです。平方根を計算する際に,もとの四捨五入しない値を使う,ということです。四捨五入した値と,もとの値とでは,誤差があるため,計算結果がかなりズレることも多いです。四捨五入するのは,答えを答案に書く直前のみにして,それ以外は,四捨五入しないで計算するのが望ましいです。

 

それでは ひとくぎり

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

  

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