つづきです。実際に教科書の例題を使って,計算手順について案内します。
1.データの合計と平均値を計算
84ページの例題です。
8個のデータがこんな値でした。まず,合計と平均値を算出します。
2.個々のデータから平均値を引き算し,偏差の和が0になることを確認する
ここでは,平均値の6.85を,個々のデータから引き算して答えを出します。
その後,「偏差の和が0になる」ことを,合計欄で確認してください。
3.個々の偏差を2乗し,その和を計算する
偏差が計算できたら,これらの偏差をそれぞれ2乗します。この段階では四捨五入せずにそのまま計算した答えを書きます。
次に,合計欄に偏差の2乗の和を書きます。
4.計算する
さて,偏差の2乗和が出たら,分散と標準偏差を計算しましょう。
心理学の論文・レポートにおいては,平均値・分散・標準偏差は,小数点以下第2位まで記述するのが慣習ですので,ここでも第2位まで算出しておきます。
注意するのは,標準偏差を計算するときです。平方根を計算する際に,もとの四捨五入しない値を使う,ということです。四捨五入した値と,もとの値とでは,誤差があるため,計算結果がかなりズレることも多いです。四捨五入するのは,答えを答案に書く直前のみにして,それ以外は,四捨五入しないで計算するのが望ましいです。
それでは ひとくぎり
<教科書>
稲葉由之 (2012). プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂
<文献>
山内光哉 (1998). 心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社