甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法3 第4回 (2)

つづきです。

実際に,交互作用が有意であったときに,次にどんな分析を行うかを説明しよう。

単純主効果の検定,というのを行います。例えば,要因Aの1水準a1において,要因Bの水準間の差があるのかどうかを検定するというわけです。

数式は以下の板書の通り。

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統計法3 板書04-03

単純主効果の検定においても,平方和SSを求めて,自由度dfで割って平均平方MSを算出するのは同じ。平均値の表を使うのが,メインの分散分析と異なるところ。

まず,要因Bの各水準における,要因Aの単純主効果の数式。自由度はAの水準数マイナス1となる。

例で青字であげたように,b1におけるAの単純主効果を検討したいときは,平均値の表からb1の列の平均値を使い,板書のように計算する。

 

次ね。 

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統計法3 板書04-04

こんどは,要因Aの各水準における,要因Bの単純主効果の数式。

同じく例を青字であげたが,例えばa1におけるBの単純主効果を検討したい場合,板書04-03の平均値の表から,a1の行にある平均値に基づいて計算していく。こちらの自由度は,Bの水準数マイナス1となる。

青ざめなくてもExcelで計算するんだから心配する必要はないのだ。

 

さて,その後は……

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統計法3 板書04-05

平均平方MSの計算。各水準のSSを自由度で割る。

※自由度(p-1)は,先ほどの板書では要因Aの水準数との関連で(a-1)になってます。自由度(q-1)は要因Bの水準数との関連で(b-1)になっています。申し訳ない。

各水準の単純主効果は,それぞれFの値を計算することで検定できる。F値は,単純主効果で計算した平均平方MSを分子,メインの分析で用いた誤差項MSwを分母に用いて比を計算する。

「分子自由度」「分母自由度」はわかるね。計算できたら,Fの表を見て,有意かどうかを判定しよう。

 

とりあえず ひとくぎり 

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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