つづきです。
実際に,交互作用が有意であったときに,次にどんな分析を行うかを説明しよう。
単純主効果の検定,というのを行います。例えば,要因Aの1水準a1において,要因Bの水準間の差があるのかどうかを検定するというわけです。
数式は以下の板書の通り。
単純主効果の検定においても,平方和SSを求めて,自由度dfで割って平均平方MSを算出するのは同じ。平均値の表を使うのが,メインの分散分析と異なるところ。
まず,要因Bの各水準における,要因Aの単純主効果の数式。自由度はAの水準数マイナス1となる。
例で青字であげたように,b1におけるAの単純主効果を検討したいときは,平均値の表からb1の列の平均値を使い,板書のように計算する。
次ね。
こんどは,要因Aの各水準における,要因Bの単純主効果の数式。
同じく例を青字であげたが,例えばa1におけるBの単純主効果を検討したい場合,板書04-03の平均値の表から,a1の行にある平均値に基づいて計算していく。こちらの自由度は,Bの水準数マイナス1となる。
青ざめなくてもExcelで計算するんだから心配する必要はないのだ。
さて,その後は……
平均平方MSの計算。各水準のSSを自由度で割る。
※自由度(p-1)は,先ほどの板書では要因Aの水準数との関連で(a-1)になってます。自由度(q-1)は要因Bの水準数との関連で(b-1)になっています。申し訳ない。
各水準の単純主効果は,それぞれFの値を計算することで検定できる。F値は,単純主効果で計算した平均平方MSを分子,メインの分析で用いた誤差項MSwを分母に用いて比を計算する。
「分子自由度」「分母自由度」はわかるね。計算できたら,Fの表を見て,有意かどうかを判定しよう。
とりあえず ひとくぎり
<教科書>
小塩真司 (2018). SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書
<文献>
森敏昭・吉田寿夫(編著) (1990). 心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房
山内光哉 (1998). 心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社