はい,こんにちは(_ _)
統計法3の2回目,授業名略して話すね。
今日から,2要因分散分析~
統計法1・統計法2みたいに,計算機使って手計算,なんてしないから,少しはラクなはず。
板書,2要因というのは何でしょう?
独立変数が2つ,ということです。
板書のように,言葉だけで説明すると,一方の要因の各々の水準と,他方の要因の各々の水準とを,組み合わせて吟味する計画,ということです。
これを要因計画といいます。
具体例を思い出そう。年度後期の「心理学基礎実験実習2」の最後の課題で行った,「ミュラー=リヤー錯視」の実験が2要因計画の代表例だ。
この実験,独立変数は,
測定方法:上昇系列・下降系列の2水準
矢羽の鋏角:60度・120度・180度・240度・300度の5水準
従属変数はPSE(主観的等価点)あるいは錯視量だったね。
錯視量の比較を行う際に,分散分析を使ったけれど,2要因の水準どうしの組み合わせである2×5=10通りの平均値が比較されたはずだ。
この実験は,独立変数がどちらも被験者内要因(ウィズイン・参加者内要因)だった。みなさんは,10通りの組み合わせ条件のすべてについて,主観的等価点をそくていしたはずだ。
他にも,両側性転移を測定する,鏡映描写の実験でも,2要因計画が組まれていたことを思い出そう。(こちらは,利き手条件・非利き手条件・統制条件の練習条件の要因と,試行の要因との2要因だった。)
2要因計画を,一般化して記号で表現すると,板書の通りとなる。
一方の要因名をA,他方の要因名をB,水準の名前を小文字(a,b)と添え字で表現した。2要因においては,要因の水準間で組み合わせが生じることになる。組み合わせの1つを「1つのセル」「1つの細胞」というふうに表現する。
記号で表現することが多くなるから,具体的なデータ分析の中で,記号が何を,どこを指し示しているのか,迷子にならないようにしよう。迷子にならなければ,記号そのものは覚えなくてもよろしい。
とりあえず ひとくぎり
<教科書>
小塩真司 (2018). SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書
<文献>
森敏昭・吉田寿夫(編著) (1990). 心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房
山内光哉 (1998). 心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社