甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法3 第2回 (3)

さて,実際に計算する際の数式は,来週紹介するとして,

本日は,Microsoft Excelで実際に計算してみようか。

本日の課題

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統計法3 もとデータ

こういうデータがある。山内(1998)に掲載されていたデータだ。

何かテスト問題を解いたり,何らかの仕事・活動を行ったりする際に,取り組むことがらを課題 タスクという。で,要因Bから先に紹介して申し訳ないが,独立変数の一方は,課題の難易度だ。簡単な課題だと,得点は高くなるはずだよね。難しい課題だと,得点は低くなるはず。これを,

 b1:難 条件

 b2:中 条件

 b3:易 条件

と書いている。

 

ところで,テストに取り組む,つまり課題に取り組む人の側の要因がある。ここでは,不安がとりあげられている。いわゆるテストや本番で緊張しやすいかどうかということだ。不安が高い人(緊張しやすい)・低い人(緊張しにくい)がいる。特にテストのときは如実に行動の違いが出てきそうだね。これが,他方の独立変数である不安の高さ。要因A……

 a1:低不安 条件

 b1:高不安 条件

 これら2要因について,各条件につき5人ずつ割り当てて,実際にテストを行った。だから全体の被験者数Nは30。……人の要因だから,低不安・高不安は別の人が行わなければならないよね。課題難易度についても,個々人にとっての難易度というより,このデータでは,より一般的な難易度(例:難条件-微分方程式を解く問題,中条件-平均値と標準偏差を計算する問題,易条件:1ケタ数字の繰り上がりのない足し算)で考えるため,かつ繰り返しの測定でテスト慣れさせないため(テスト一発勝負にするため)に,被験者間要因となっている。

このデータについて,各条件の平均値と標準偏差を求めなさい。途中経過として各条件の集計表(和)も求めなさい。これが課題の出題だ。

答えは……↓の通り。

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統計法3 課題のこたえ

答え載せてしまってるけど,これを書き写して課題提出してもまったく意味ないよ。

実際にMicrosoft Excelで計算して,数式打ち込んで,計算しないと理屈がわからないでしょう? 

 

ということで,実際の計算は次で。 

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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