さて,実際に計算する際の数式は,来週紹介するとして,
本日は,Microsoft Excelで実際に計算してみようか。
本日の課題
こういうデータがある。山内(1998)に掲載されていたデータだ。
何かテスト問題を解いたり,何らかの仕事・活動を行ったりする際に,取り組むことがらを課題 タスクという。で,要因Bから先に紹介して申し訳ないが,独立変数の一方は,課題の難易度だ。簡単な課題だと,得点は高くなるはずだよね。難しい課題だと,得点は低くなるはず。これを,
b1:難 条件
b2:中 条件
b3:易 条件
と書いている。
ところで,テストに取り組む,つまり課題に取り組む人の側の要因がある。ここでは,不安がとりあげられている。いわゆるテストや本番で緊張しやすいかどうかということだ。不安が高い人(緊張しやすい)・低い人(緊張しにくい)がいる。特にテストのときは如実に行動の違いが出てきそうだね。これが,他方の独立変数である不安の高さ。要因A……
a1:低不安 条件
b1:高不安 条件
これら2要因について,各条件につき5人ずつ割り当てて,実際にテストを行った。だから全体の被験者数Nは30。……人の要因だから,低不安・高不安は別の人が行わなければならないよね。課題難易度についても,個々人にとっての難易度というより,このデータでは,より一般的な難易度(例:難条件-微分方程式を解く問題,中条件-平均値と標準偏差を計算する問題,易条件:1ケタ数字の繰り上がりのない足し算)で考えるため,かつ繰り返しの測定でテスト慣れさせないため(テスト一発勝負にするため)に,被験者間要因となっている。
このデータについて,各条件の平均値と標準偏差を求めなさい。途中経過として各条件の集計表(和)も求めなさい。これが課題の出題だ。
答えは……↓の通り。
答え載せてしまってるけど,これを書き写して課題提出してもまったく意味ないよ。
実際にMicrosoft Excelで計算して,数式打ち込んで,計算しないと理屈がわからないでしょう?
ということで,実際の計算は次で。
<教科書>
小塩真司 (2018). SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書
<文献>
森敏昭・吉田寿夫(編著) (1990). 心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房
山内光哉 (1998). 心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社