はい こんにちは(_ _)
心理学統計法1・心理学統計法2のおさらいをしましょう。
教科書は2ページ
統計で扱うさまざまなデータを,尺度あるいは尺度水準として分類できます。
4水準あることを覚えていますか?
まず,名義尺度。
学籍番号や電話番号も名義尺度ですね。値は数字でなくてもよい。
相互に区別するための値がついているものです。
値の大小の向き,値そのものに意味はありません。
だから,値どうしで何の計算もできません。
かっこ2 順序尺度
やはり値は数字でなくてもよいですが,値の関係,数値の大小関係が,変数の向きを示しています。板書には,大学ではおなじみの成績の例を示しました。これが順序尺度の代表例となります。
順序尺度が数値であっても,値と値の間の差についてはわかりません。例で示した通り,競馬のトップ入線を1着というのですが,1着と2着との差がハナ差であっても,1着と2着との間が10馬身のぶっちぎりであっても,1着は1着という値,2着は2着という値で変わりありません。順位の情報から,順位の差についてはわからない,ということです。
以上2つの尺度のデータを質的データ,あるいは定性データと呼びます。質的も定性もQuality クオリティの訳語です。
次の板書~
3番目の尺度を 間隔尺度といいます。
気温の摂氏(℃)のように,水の凝固点を0度,沸点を100度として,その間を等間隔で分割したもの,が代表例です。板書では 値間の差が等間隔になっている,と書きました。
この尺度の値は,足し算,引き算ができます。
気温の摂氏の例でおわかりのように,この尺度は,0の値は無を示すわけではありません。そのため,「昨日の最高気温は20度でしたが,本日の最高気温は10度でした。昨日と比べて暖かさが2分の1になってしまいました。」などと,発言することはできません。
値どうしの倍数関係を示すことはできない,ということです。
心理学の調査などで用いる心理尺度は,間隔尺度と見なして計算されます。
さいご,4番目の尺度を 比率尺度あるいは比例尺度といいます。
メートル法の長さなどが例ですが,原点0が決まっており,0の値は,無,つまり例でいうと「長さがない」ということを示します。
長さなど,比率尺度あるいは比例尺度では,値は,1メートルという単位の倍数(比率)として示されています。そのため,間隔尺度とは異なり,値どうしの倍数関係を示すことができます。
間隔尺度と比率尺度,これら2つの尺度のデータを,量的データあるいは定量データと呼びます。量的も定量も,Quantityクオンティティの訳語。
おさらいですけど,ここまでよろしいですか?
<教科書>
小塩真司 (2018). SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書