甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法3 第2回 (4)

ではMicrosoft Excelの作業……する前に,

ExcelのファイルをUSBメモリに入れている学生への注意

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統計法3 テンポラリファイル

USBメモリに入っているファイルをダブルクリックして,直接Excelを起動させる人がいるけど,やめよう。

Excel(Word)って,一時的に保存するファイルを,起動したフォルダに作るのね。そうすると,USBメモリに何度も何度も読みにいって更新することになる。

これ,USBメモリの寿命を縮める行為なんだ。こういうことをやって,卒業論文の保存ファイルを完全に飛ばした学生は過去数知れず。

面倒でも,デスクトップなどにファイルをコピーして,そちらから起動させよう。

 

さて,はじめよう。このファイルを送ったよね。

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統計法3 データの初期

見やすくするために拡大したり,数値のセル内に表示される位置を変えたりしている。みなさんはそのまんまの自分が見やすい倍率でよいですよ。

まず,下記のように,計算の結果を表示させるところを作ろう。文字を打ち込んだり,罫線をひいたりしてください。2×3の表になるようにして,合計欄も作っておこう。

AB集計表は,次回の計算で重宝するぞ。

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統計法3 計算手順02-01

下部

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統計法3 計算手順02-02

入力のExcel上のセル番地は,あまり気にしなくていいと思うんだけど……

まったく同じことをしたいのならば(参照番地がわからなくなるのがイヤとか),画面表示と同じ番地に入力しておくとよい。

 

記入していくと……こんな風になることもあるかも。

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統計法3 計算手順02-03

重なって文字が見えなくなってしまうことがあるよね。そんなときは

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統計法3 計算手順02-04

列見出しAとBの境界線のところ(青い四角の部分)にマウスカーソルを近づけると,カーソルの形が変わるので,そのときにダブルクリックしたり,ドラッグしたりして列を調節しよう。

で,列を見やすくした。次

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統計法3 計算手順02-05

AB集計表の2要因の組み合わせのところに,和を出したい。色分けしたから,どこの和をどこに出力すればよいかわかるよね?

で,SUM関数を使おう。

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統計法3 計算手順02-06

計算手順02-06,左上のΣオートSUMを使ってもいいけど,ボクはタイプした方が早いから直接キーボードで打ち込んでる。打ち込むときは日本語入力をオフにしておこう。

SUM関数を呼び出したら,

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統計法3 計算手順02-07

マウスでドラッグして範囲指定しよう。この部分もキーボードでセル番地を直接打ち込んでもいいぞ。範囲指定が終わったらエンターキーを押す。ここでは括弧を閉じていなくても大丈夫。

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統計法3 計算手順02-08

同じように高不安・難条件の和も数式を入れて範囲指定しよう。

それで……

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統計法3 計算手順02-09

答えが出たよ。中条件・易条件については,コピペすればよい。範囲指定して,コピー元を右クリック,コピーを選択。

次に貼り付け(ペースト)先のセルを選択して,右クリック

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統計法3 計算手順02-10

こんなコンテキストメニューが出てくるから,貼り付けのオプションのいちばん左,すべて貼り付けを選択する。他の授業で教わったと思うけど,SUM関数で相対参照してるから,すべて貼り付けるとSUM関数(とコピー元-関数参照セルの相対的な位置関係)がコピーされて,ペースト先の関数の参照セルは位置関係が動くことになる。

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統計法3 計算手順02‐11

終わったら合計を出そう。要因Aの各条件における合計の出し方は,上記↑計算手順02-11。

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統計法3 計算手順02-12

次が,要因Bの各条件の合計の出し方↑。コピペやオートフィルをうまく使って労力を減らしてね。

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統計法3 計算手順02-13

全体の合計の出し方↑。意外に間違う学生が多いんだけど,ヨコ行・タテ列の数値をどちらも足してしまうと,間違い。計算があわなくなるぞ。

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統計法3 計算手順02-14

答えが出ました。次,平均値を出したいが,上のスペース邪魔だから青い〇で囲んだタブの部分をダブルクリックして,タブを隠してみよう。画面のタテ表示を稼げる。

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統計法3 計算手順02-15

平均値はAVERAGE関数だね。直接キーボードで打ち込むから,タブを隠してしまったのだが,ΣオートSUMの右側▼をクリックして平均というのを選んでもよい。キーボードで入力するときは,大文字でも小文字でも大丈夫。

高不安・難条件の平均値も入力して,SUM関数のときと同じように,コピペしよう。

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統計法3 計算手順02-16

そうするとこういう風に答えが出てくる。

次,計の欄なんだけど……これはSUM関数のときのようにはできないね。もともとのデータを参照しよう。

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統計法3 計算手順02-17

難条件の平均値はどう出そうか?計算手順02-17↑のように,離れたデータを参照して平均値にしたいのだが。

何か他の授業で教わったかな?

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統計法3 計算手順02-18

参照した後に,半角カンマ「,」を入れて,次の範囲指定をするのが正解。

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統計法3 計算手順02-19

全体の平均値も,元データを参照しよう。

 

標準偏差の表の作り方も,平均値と同じだ。平均値からの偏差の二乗和を(n-1)で割って,その答えの平方根が,標準偏差だ。ちなみに分散は,平方根なしで,平均値からの偏差の二乗和を(n-1)で割ったもの。

関数はSTDEV.Sを使う。

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統計法3 計算手順02-20

Σオートサムの右側▼から「その他の関数」を選んで「統計」のところから探してもよい。STDEV関連の標準偏差関数はたくさんあるけれど,STDEV.Sを使うこと。この関数だと,分母の割る数(自由度)が(n-1)なんだね。※STDEV.Pを選ぶとnで割ってしまうので,答えが変わってしまうぞ。

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統計法3 計算手順02‐21

同じようにやって,最後は元データ全体を参照。

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統計法3 計算手順02‐22

できました!

あなたもできたかな?

 

ちなみにボクは小数点以下第2位まで表示させている。これで答えが合わないと思うかもしれない。

↓のようにセルを選択して右クリック

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統計法3 四捨五入値01

ここから,「セルの書式設定」を選んで。

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統計法3 四捨五入値02

表示形式タブで,「数値」を選び,小数点以下の桁数2を設定すると,↑に表示された通りになるはずだよ。

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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