甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法3 第3回 (2)

続き。

そんなわけで,平方和(SS)と,自由度(df)は以下の通りとなる。

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統計法3 板書03-06

拡大すると,平方和は

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統計法3 板書03-07

青字で書いた平方和の関係は,前回の板書にも書いたよね。自由度は

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統計法3 板書03-08

自由度の関係も,前回の板書で書いたと思う。Nは被験者数の全体。

昨年も言ったけど,分散分析の平方和と自由度は,必ず正の数になるからね。答えが負の数だったら,計算間違い。

あとは,各平方和を,各自由度で割り算して,平均平方(MS)を算出する。

その後,Fの値を求めるには,
 要因Aの主効果は,Aの平均平方を誤差項wの平均平方で割る。
 要因Bの主効果は,Bの平均平方を誤差項wの平均平方で割る。
 交互作用ABは,ABの平均平方を誤差項wの平均平方で割る。

ことになる。それぞれの,分子自由度と分母自由度は,わかるね? 

 

次。仮説について,2要因分散分析では,3組の帰無仮説(H0)と対立仮説(H1)ができる。

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統計法3 板書03-09

要因Aの主効果の仮説は,Aの各水準の母集団の平均値αを用いて記述する。

要因Bの主効果の仮説は,Bの各水準の母集団の平均値βを用いて記述する。

対立仮説は「H0ではない」と書いたが,2水準の場合は,2つの平均値を≠で結ぶことになるね。

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統計法3 板書03-10

AB交互作用の仮説は,A・B各水準の組み合わせとなった各セルの平均値αβを用いて記述することになる。

 

理屈はこんなところ。

次からは,実際にExcelで計算してみようか。

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

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