甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法3 第4回 (5)

さて,それでは本日の課題のところ。

単純主効果の分散分析表を作ります。

f:id:psychic_koshien:20200520093704p:plain

統計法3 検定表の作成

※【訂正】(2020.05.20) 変動因の項目名順が逆でした。画像を差し替え。

まずは,検定表を作ります。

この後,先ほど出した答えを,それぞれコピペする。

f:id:psychic_koshien:20200520093950p:plain

統計法3 小数点以下第2位まで出したい

※【訂正】(2020.05.20) 同じく画像を差し替え。

コピペは「値のみ貼り付け」。

小数点以下第2位までの値を表示させたい場合,セルを選択して右クリック,「セルの書式設定」で「数値」を選び,小数点以下の桁数2を選ぼう。

f:id:psychic_koshien:20200520094132p:plain

統計法3 数値のコピペ

※【訂正】(2020.05.20) 同じく画像を差し替え。

コピペ完了。でもこれで終わりではなく……

f:id:psychic_koshien:20200520094307p:plain

統計法3 有意なところにアスタリスク

※【訂正】(2020.05.20) 同じく画像を差し替え。

有意なところにアスタリスクをつける。

これで課題はおしまい。

 

……でもね,分散分析の結果から,結局,何が言えるんだろう?レポートや論文を書くときは,この後の作業が大切なんだ。

f:id:psychic_koshien:20200519203311p:plain

統計法3 グラフを描いて交互作用を考える

グラフを描いてみた。グラフを描いて,どの条件間に差があるのかを,具体的に指示して考えてみよう。このグラフ上で,単純主効果が有意だったところを示してみると……

f:id:psychic_koshien:20200519203449p:plain

統計法3 有意だった条件の差

1.中程度の難易度において,低不安群の得点が高不安群の得点を有意に上回っていた。(グラフ中央 紫の矢印)

2.易しい難易度において,低不安群の得点が高不安群の得点を有意に上回っていた。

3.低不安群においては,課題難易度の効果が有意であった。

ということになる。

 

だから,この研究結果は,

A.不安の低い者においては課題難易度が成績に直結するが,不安の高い者においては難易度の効果がみられない(そもそもテストを受けること自体に不安があるため……?)

B.不安の差が現れるのは,課題難易度が中程度よりも易しい場合であり,特に易しい課題においては,不安の差が顕著である。

という感じに結果を記述できる。考察は,「それがなぜ そうなったか?」の説明だよね。

 

ということで,計算だけできても……ね。最終的に,独立変数(要因)の各水準の違いまで考えて,統計的な有意差というものを操作した要因のレベルで記述・説明する必要があるからね。これは忘れないように。

 

……さらに,低不安群における課題難易度について,3水準間の有意差を検討したいときには,多重比較を行う必要がある。被験者間条件なので,誤差項をMSwとして,スチューデント化された範囲の表を見て,テューキーのHSDを求める。

多重比較については,心理学統計法2で学んだことなので,ここでは省略します。

 

それでは。本日の授業はおしまい。

ありがとうございました(_ _)

 

<教科書>

小塩真司  (2018).  SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書

<文献>

森敏昭・吉田寿夫(編著)  (1990).  心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房

山内光哉   (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社

 

心理学統計法3 第4回 (1)へもどる

心理学統計法3 第4回 (2)へもどる

心理学統計法3 第4回 (3)へもどる

心理学統計法3 第4回 (4)へもどる

 

心理学統計法3 第1回 (1)へもどる

心理学統計法3 第2回 (1)へもどる 

心理学統計法3 第3回 (1)へもどる