はい,おはようございます(_ _)
今回は,データの分析結果を紹介し,レポートの執筆について説明していきます。
残念ながら,現実自己条件のデータ・理想自己条件のデータの2つが揃わないと,分析対象にできないんだ……だから,何らかの事情で有効回答にならなかった学生の分は,分析から除外しました。
そうすると,両条件が有効回答であったのは49名だった。
現実自己条件の平均値は15.86,理想自己条件の平均は27.35だった。標準偏差(SD)という散らばり具合を示す指標は,それぞれ,9.38と5.97でした。平均値や標準偏差については,心理学統計法1で詳しく話すので,ここではこれ以上触れない。
右側にある数値は,T検定という,2つの条件の平均値の間に,統計的に有意な(統計的に意味のある)差があるかどうかを計算している。1人の人が条件すべてに参加して,2つのデータを収集するという,実験参加者内条件(被験者内条件)なので,差および差の2乗が途中の数値として算出されている。最終的にTの値は20.69だった。これは,統計的に意味のある差であった(有意差があるという)ため,49名全体の傾向としては,「理想自己条件においては,現実自己条件においてよりも,より外向的な評定が行われる」ということになる。
多くの学生において,理想としている自分の性格は,現実の自分自身より外向的ということだね。
それでは,現実自己条件・理想自己条件の平均値と標準偏差を,レポートの表に記入しよう。
レポートの4ページに,表1というのがある。表のフォーマットはすでに作ってある。ヨコ罫線だけ印刷されるようにして,タテ罫線は印刷されないようにしている。表のタイトルは表の上,最後の(SD)というのは,かっこ内に標準偏差を示す,という意味だ。
各条件の見出しの下にある,アスタリスクを消して,半角の数字で,平均値をかっこのない上の部分に,標準偏差をかっこ内の下の部分に打ち込もう。レポートの書式については後で話すけど,数字やスペースの全角・半角の違いは,とっても重要だよ。
数値を書き込みました。論文・レポートでは,平均値や標準偏差の数値は,小数点以下第2位までを算出し,第3位以下を四捨五入するのが ならわしとなっている。
いちばん下の注にn=49とあるのは,有効回答だった実験参加者の人数ですね。
ということで ひとくぎり
<教科書>
木下冨雄・上里一郎・中谷和夫・難波精一郎・辻敬一郎 (1975 / 2018). 教材心理学[第4版] ナカニシヤ出版