はい こんにちは(_ _)
2要因分散分析,今回は混合計画について。
混合計画,というのは,2要因分散分析の場合,一方の1要因が被験者間要因,他方の1要因が被験者内要因であるものをいいます。
計算手順は前回と同様なのですが……
「心理学統計法2」の1要因分散分析で被験者内要因を学んだ際と同様で……誤差項の計算に ひと手間かかります。新たに計算する式もあります。
さらに,被験者間要因に対する誤差項と,被験者内要因・交互作用に対する誤差項とが,異なる式によって導かれた異なる値となる点にも注意が必要です。
被験者内要因の,同一人物が何個かデータを出しているところの,合計を出して個人差プールを作っておくのですね。
では例とともに式を紹介します。2×2の混合計画を考えましょう。
こんな感じで,被験者間要因の水準においてn人ずつのデータを取るとしましょう。被験者内要因はb1,b2で同一人物がデータを2回出しております。その際に,被験者ごとのデータの合計kを算出しておいてください。これが個人差プールですね。
2要因の被験者間の分散分析のときと同様に,AB集計表は作っておきます。
計算すべき式は,(1)~(5)までは前回と同様になります。(6)が被験者内条件がある場合に増える計算式です。
kの2乗和を要因Bの水準数で割る,というものになります。
平方和の計算は,板書の通りです。先ほどの計算式をご覧のように計算します。SSbetweenは被験者間要因の分散を,SSwithinは被験者内要因の分散を示します。さらに,これらの分散を,より細かく分けることによって,分散分析を行っていきます。
SSw1は,被験者間要因Aに対する誤差項の平方和です。SSBxw2は,被験者内要因B・交互作用ABに対する誤差項の平方和です。
自由度dfはご覧の通りです。平方和と同様に,全体の自由度は,被験者間要因の自由度,被験者内要因の自由度に分けることができ,さらに細かく分けて計算していきます。
平均平方については,5つを算出します。各平方和を各自由度で割るのは同じ手順です。
F値は3つ計算されることになります。要因Aの主効果,要因Bの主効果,AB交互作用,これは前回の2要因分散分析と同じです。(般若の顔で悲しみを表現しようとしたのだが,なんだか悪魔の笑顔になってしまった。)
混合計画において,分散を,どのように分解しているかの式です。被験者間成分と被験者内成分に分けることができ,それぞれの内部に誤差項があるということになります。
理屈だけだと極端に難しそうに見えてしまうが,結局Excelで計算するのだから,作業内容さえ覚えれば,それほどでもないです。
とりあえず ひとくぎり
<教科書>
小塩真司 (2018). SPSSとAmosによる心理・調査データ解析:因子分析・共分散構造分析まで 東京図書
<文献>
森敏昭・吉田寿夫(編著) (1990). 心理学のためのデータ解析テクニカルブック 北大路書房
山内光哉 (1998). 心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社