はい,おはようございます(_ _) あるいは こんにちは(_ _)
前回,もとの文献を手に入れるところまでいった。
今回は,手に入れた文献を読み,班ごとに割り当てられた尺度が,どんな尺度なのかをまとめよう。そして,班ごとに,Microsoft PowerPointでプレゼンテーションを作ろう。……というのが今回の目的だ。
1.プレゼンテーションの内容
必ず入れてほしい情報は,以下の通り。
尺度の名前
誰の開発した尺度か
何年に発表された尺度か
何を測定しているのか(何を測定するために開発されたか)
質問項目は何項目か
何件法(何点尺度)で訊くものか
何因子の下位尺度から構成されているか
尺度の名前はもうわかるよね。
誰の,何年に発表も,文献の著者名,文献の出版年がそれらだ。
その後は,文献を実際に読まなければならない。例をあげて説明していこう
2.何を測定しているのか
論文の冒頭部分を読もう。見出しが「問題」と書いてあったり,「問題と目的」と書いてあったり,文献が「心理学研究」の場合には冒頭部分の見出しはなく本文からはじまっている。
例えば,上記の菅原(1984)の自意識尺度の場合,元文献が心理学研究に掲載されているため,英文アブストラクトの後に,見出しなしで本文が続くぞ。
冒頭部分の場合には,「何を測定しているのか」ではなくて,「何を測定するために,その尺度を開発しようとしているのか」が書いてある。でも,結果は,尺度の開発し成功したから,結果として論文掲載に至っているわけだから,論文には「何を測定するために」と書いてあっても,プレゼンテーションの紹介としては「何を測定しているのか」と置き換えてよい。
3.質問項目は何項目か
これは,見出し「結果」の後に書いてある質問項目数,つまり完成した尺度の項目数を書いてくれ。この授業の調査実習で使う,実際の項目数が重要だ。
見出し「方法」の後に書いてある質問項目数は,因子分析という分析をする前の項目数が書いてあるから間違わないように。
結果のところ
菅原(1984)の文献の場合,結果のところを読むと,(わかっちゃうから省略)……負荷量0.4以上の……,……負荷量0.4以上の……と書いてある。それと,掲載されている表とをつきあわせて,ぜんぶで何項目なのかをあげること。
すべての因子に負荷量が書いてあるものもある。
安藤ら(1999)の文献では第1因子から第4因子まで,タテヨコの見出しで並べてあって,負荷量の絶対値が高いものをそこに揃えている。結果的に,尺度から除外したものもあるね。これは本文を読んで,結果的に何問なのかを読み取ろう。
竹内(1992)の場合は,選別された項目に囲みがされている。
選定された項目が太字になっているものもある。よく読んで,質問項目数を数え上げてみてくれ。
ひとくぎりにしようか。
<教科書>
小塩真司・西口利文(編) (2007). 質問紙調査の手順(心理学基礎演習Vol.2) ナカニシヤ出版
<文献>
安藤明人・曽我祥子・山崎勝之・島井哲志・嶋田洋徳・宇津木成介・大芦治・坂井明子 (1999). 日本版Buss-Perry攻撃性質問紙(BAQ)の作成と妥当性,信頼性の検討 心理学研究, 70, 384-392.
平山るみ・楠見孝 (2004). 批判的思考態度が結論導出プロセスに及ぼす影響─証拠評価と結論生成課題を用いての検討─ 教育心理学研究, 52, 186-198.
菅原健介 (1984). 自意識尺度(Self-consciousness scale)日本語版作成の試み 心理学研究, 55, 184-188.
竹内謙彰 (1992). 方向感覚と方位測定,人格特性及び知的能力との関連 教育心理学研究, 40, 47-53.