甲子園大学心理学部 授業

甲子園大学心理学部 金敷担当の授業をアップします。

心理学統計法1 第2回 (3)

せっかくの遠隔授業だから,90分の授業には盛り込めない話でもしようか。

教科書27ページの例題2-3のところ……

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統計法1 板書02-06

さっきの板書で,はみ出てたもの。

例の方から見て。

出席番号と,5教科5科目のテスト成績というのを表にしてみるとする。なんか,点数が妙に,かたよってるけど,特に他意はない。

こういう例を多変数データ(多変量データ の呼び名が一般的)という。変数は,国・社・数・理・英の5つ。出席番号はデータの添え字。

このような多変量データの数値の並びを,行列という。

教科書では行列のデータの記号をエックス,ワイ,ゼットで示しているけれど,より一般的には,板書のように,添え字を2つくっつけて示すことが多い。

横向きのデータの並びは 行 だね。1人の人の多変量データを,1行で示していくことが多い。

縦向きのデータの並びは 列 です。例のように,国語の点数など,1つの変数の観測値がずらずらと並ぶ。

一般的表現ではi行j列というふうになり,板書のように,変数記号の添え字に2文字つける。この2文字添え字記号は,後期の心理学統計法2で出てくるから,いまから覚えておこう。

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統計法1 Microsoft Excelは行列

それで……画像は,Microsoft Excelという表計算ソフトに,板書の例のデータを打ち込んでみたもの。

Excelのデータというのは,行列データなんだね。

Excelの場合,行の見出しは,いちばん左端1,2……で示されている。

列の見出しは,左からA,B,……とアルファベット順に示される。

各マス目をセルと呼び,数字・アルファベットの組み合わせは,セルの番地を示すことになる。(A1と列・行の順で番地を示すけど……突っ込まないで)

変数エックスに,i行j列の添え字をつける方法と,見かけは異なるけれど,基本的に考え方は同じだ。

板書には,行列内の変数の番地を添え字で示して,値の一般的表現を行ってある。

 

行列とExcelは同じ原理。

これがわかると,データ数が膨大な数になっても,戸惑うことはなくなるぞ。

 

とりあえずここまで。閑話休題でした。

 

<教科書>

稲葉由之  (2012).  プレステップ統計学Ⅰ:記述統計学 弘文堂

 

<文献>

山内光哉  (1998).  心理・教育のための統計法[第2版] サイエンス社 

 

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